香りの散歩道


腹が減っては戦ができぬ

墨絵・朝野泰昌
小学校の入学式が終わると、真新しいランドセルを背負った子どもたちの姿が、朝のほほえましい光景になりますね。

皆さんは、初めて給食を食べたときのことを覚えていますか。
献立は、地域や年代によって違うと思いますが、午前の授業が終わると、おいしそうな匂いが漂ってきて・・・給食の時間が、何より楽しみだった方もいらっしゃるでしょう。

給食の歴史をさかのぼると、戦国時代にたどり着きます。
一説によると、天下統一を成し遂げようとした織田信長のアイデアだったとか。

当時、足軽として戦(いくさ)に駆り出される農民は、自分で食べ物を用意しなければなりませんでした。
飢饉などで食料に恵まれなかった時代ですから、それでなくても空腹なはず。
手弁当で戦場になど、行きたくはなかったでしょう。
そのため、多くの戦国大名が人集めに苦労したようです。

そこで、織田信長は戦術の一つとして、給食制度を思いつきました。
「織田軍の足軽になれば、食べ物にありつける」と評判を呼び、給食目当てに参加した人も多かったとか。
この制度によって、信長は戦力を確保することができた、という逸話が語り継がれています。

その後、信長の手法にならって、給食制度を取り入れる大名が増えていったそうです。
まさに「腹が減っては戦(いくさ)ができぬ」。
どんな時代も、生きぬくエネルギーは食べることなのですね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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